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【越境EC】爆買いが爆沈?!最新の中国向け越境EC情報

作成者: johnney|2016/04/09 14:40:06

[:ja]越境ECを進めている貴方、中国に進出しようとしていませんか?
中国財政部は、4月8日から新たな税制度をスタートすると発表しました。
その骨子は、中国人が海外のECサイト(越境ECサイト)で購入した場合、
関税を必ず徴収するといった宣言になります。
ただし、商品の種目によっては関税が上がったり下がったりします。
今回は、ECサイト運営者にとって重要な、最新の中国向け越境ECの情報について
ご案内します。

 

越境EC税制変更について

以下のリンクにある通り、先月3月24日に、中国財政部から越境ECサイトの購入における
関税制度の変更がありました。
[中華人民共和国 財政部からのお知らせ 越境ECに関する税制の変更について(中国語:簡体字)]
http://gss.mof.gov.cn/zhengwuxinxi/zhengcefabu/201603/t20160324_1922968.html
今回の変更骨子は以下の6項目になります。
尚、新制度は4月8日からスタートします。

  1. 消費者が一度に購入可能な金額上限を、1000元から2000元に引き上げる。
  2. 消費者が年間で購入できる金額上限額は、20000元とする。
  3. 購入金額以下の購入商品に適用する関税率は0%とする。
    ただし2000元を超えた場合は、一般貿易とおなじ関税を全額徴収する。
  4. 輸入に関して増値税、消費税それぞれを30%減額し、すべてに適用する(増値税17%の場合⇒11.9%)
  5. 行郵税は廃止する。個人輸入関税50元までの免税措置を撤廃する。
  6. 越境ECで購入した商品を返品する場合、通関手続きを行った日から30日以内であれば、
    関税の払い戻しを行うことができる。
    その場合、個人の年度内の取引総額は調整される。

上記内容を見た方の中には、○○税?って何?、という方もいらっしゃるかと思います。
次に、中国の関税・税金制度についてまとめてみたいと思います。

中国におけるの税の種類

中国向けに商品を送る際は、中国から見たときは以下の2種類の品目に分類されます。

  • 一般貨物
  • 個人輸入貨物

一般貨物

一般貨物は、中国の企業と商品をやり取りするときに適用されるいわゆる大口貨物に当たります。
通関手続きに詳しい方ならピンとくると思います。
日本から出荷すると、商品が中国に到着次第、通関で一般貨物にふるい分けされます。

その場合に適用される税金は以下の3つです。

  1. 関税
  2. 増値税(おおよそ17%。特定品目に対しては軽減税率あり)
  3. 消費税(贅沢品に対する特別税。品目によって30%~45%課税される)

尚、一般貨物の取引金額上限はありません

個人輸入貨物

一方、個人輸入貨物は、いわゆる空港などで手荷物で持ち込んだ商品を指します。
越境ECサイトで購入した商品もこれに当たります。
ただし、空港でよくある通関手続きで、自己申告の際に不自然な商品持ち込みと判断された場合、
一般貨物として扱われることがあります。

個人輸入貨物に適用される税金は、行郵税のみとなっていました。
行郵税は、商品の種類によって10~50%かかります。
それが、今回の新制度によって増値税が70%分課されることになります。
また、個人輸入貨物で一度に取引できる金額上限は、先ほど出てきた2000元となるわけです。

なぜ爆買いが発生していたのか?そのカラクリと中国政府の対応

そういえば、なぜ中国人は日本に訪れて爆買いしたり、
越境ECサイトで商品を購入し続けていたのでしょうか?
実は、中国に一般貨物として輸入された商品より、
訪日時に購入したり越境ECで購入した(個人輸入貨物)のほうが税金が安くなっていたのです。
従って、中国本国で輸入品を買うより日本で爆買いしたほうが、安上がりになるケースが発生していました。
その結果、中国国内の小売業界が打撃を受けて、閉店する店が相次いでいたため、
この度中国政府は関税制度を見直した、というわけです。

越境EC事業者への影響は?

新旧制度の比較をする限り、以下の3つの影響があると考えられます。

  1. アパレル、電化製品、化粧品類の中でも高級商品は、実質減税となるため、
    さらなる流通量の拡大が予想される。
  2. 低価格商品は実質増税となるため、若干消費が落ち込む可能性がある。
  3. 個人輸入貨物の検査がより一層厳しくなる

そもそも、中国政府は、越境ECの流通量拡大自体は否定的にとらえているわけではありません。
むしろ、今までの懸案だった、個人輸入貨物が課税を免れるようなスキームになっていたのが
問題だったととらえていたようです。
ですから、今回の行郵税廃止によって、関税制度を一元化し、
一般貨物と個人輸入貨物の不平等を解消するのが狙いなのだと考えられます。
ただし、中国経済の冷え込みは徐々に拡大しており、まだまだ予断を許さない状況です。
引き続き、中国に越境ECを展開しようとしている皆さまは、今後も中国当局の発表に
注視したほうが良いと思います。

[参考:]【詳報】中国でついに始まる越境ECの新税収制度。増税? 減税? 日本企業への影響は?
https://netshop.impress.co.jp/node/2808[:en]

越境ECを進めている貴方、中国に進出しようとしていませんか?

中国財政部は、4月8日から新たな税制度をスタートすると発表しました。
その骨子は、中国人が海外のECサイト(越境ECサイト)で購入した場合、
関税を必ず徴収するといった宣言になります。
ただし、商品の種目によっては関税が上がったり下がったりします。
今回は、ECサイト運営者にとって重要な、最新の中国向け越境ECの情報について
ご案内します。

 

越境EC税制変更について

以下のリンクにある通り、先月3月24日に、中国財政部から越境ECサイトの購入における
関税制度の変更がありました。
[中華人民共和国 財政部からのお知らせ 越境ECに関する税制の変更について(中国語:簡体字)]
http://gss.mof.gov.cn/zhengwuxinxi/zhengcefabu/201603/t20160324_1922968.html
今回の変更骨子は以下の6項目になります。
尚、新制度は4月8日からスタートします。

  1. 消費者が一度に購入可能な金額上限を、1000元から2000元に引き上げる。
  2. 消費者が年間で購入できる金額上限額は、20000元とする。
  3. 購入金額以下の購入商品に適用する関税率は0%とする。
    ただし2000元を超えた場合は、一般貿易とおなじ関税を全額徴収する。
  4. 輸入に関して増値税、消費税それぞれを30%減額し、すべてに適用する(増値税17%の場合⇒11.9%)
  5. 行郵税は廃止する。個人輸入関税50元までの免税措置を撤廃する。
  6. 越境ECで購入した商品を返品する場合、通関手続きを行った日から30日以内であれば、
    関税の払い戻しを行うことができる。
    その場合、個人の年度内の取引総額は調整される。

上記内容を見た方の中には、○○税?って何?、という方もいらっしゃるかと思います。
次に、中国の関税・税金制度についてまとめてみたいと思います。

中国におけるの税の種類

中国向けに商品を送る際は、中国から見たときは以下の2種類の品目に分類されます。

  • 一般貨物
  • 個人輸入貨物
一般貨物

一般貨物は、中国の企業と商品をやり取りするときに適用されるいわゆる大口貨物に当たります。
通関手続きに詳しい方ならピンとくると思います。
日本から出荷すると、商品が中国に到着次第、通関で一般貨物にふるい分けされます。

その場合に適用される税金は以下の3つです。

  1. 関税
  2. 増値税(おおよそ17%。特定品目に対しては軽減税率あり)
  3. 消費税(贅沢品に対する特別税。品目によって30%~45%課税される)

尚、一般貨物の取引金額上限はありません

個人輸入貨物

一方、個人輸入貨物は、いわゆる空港などで手荷物で持ち込んだ商品を指します。
越境ECサイトで購入した商品もこれに当たります。
ただし、空港でよくある通関手続きで、自己申告の際に不自然な商品持ち込みと判断された場合、
一般貨物として扱われることがあります。

個人輸入貨物に適用される税金は、行郵税のみとなっていました。
行郵税は、商品の種類によって10~50%かかります。
それが、今回の新制度によって増値税が70%分課されることになります。
また、個人輸入貨物で一度に取引できる金額上限は、先ほど出てきた2000元となるわけです。

なぜ爆買いが発生していたのか?そのカラクリと中国政府の対応

そういえば、なぜ中国人は日本に訪れて爆買いしたり、
越境ECサイトで商品を購入し続けていたのでしょうか?
実は、中国に一般貨物として輸入された商品より、
訪日時に購入したり越境ECで購入した(個人輸入貨物)のほうが税金が安くなっていたのです。
従って、中国本国で輸入品を買うより日本で爆買いしたほうが、安上がりになるケースが発生していました。
その結果、中国国内の小売業界が打撃を受けて、閉店する店が相次いでいたため、
この度中国政府は関税制度を見直した、というわけです。

越境EC事業者への影響は?

新旧制度の比較をする限り、以下の3つの影響があると考えられます。

  1. アパレル、電化製品、化粧品類の中でも高級商品は、実質減税となるため、
    さらなる流通量の拡大が予想される。
  2. 低価格商品は実質増税となるため、若干消費が落ち込む可能性がある。
  3. 個人輸入貨物の検査がより一層厳しくなる

そもそも、中国政府は、越境ECの流通量拡大自体は否定的にとらえているわけではありません。
むしろ、今までの懸案だった、個人輸入貨物が課税を免れるようなスキームになっていたのが
問題だったととらえていたようです。
ですから、今回の行郵税廃止によって、関税制度を一元化し、
一般貨物と個人輸入貨物の不平等を解消するのが狙いなのだと考えられます。
ただし、中国経済の冷え込みは徐々に拡大しており、まだまだ予断を許さない状況です。
引き続き、中国に越境ECを展開しようとしている皆さまは、今後も中国当局の発表に
注視したほうが良いと思います。

[参考:]【詳報】中国でついに始まる越境ECの新税収制度。増税? 減税? 日本企業への影響は?
https://netshop.impress.co.jp/node/2808[:]