DXの次はAXへ──アフラックに学ぶAIトランスフォーメーション実践ロードマップ

DX・デジタル活用

2026.07.02

DXの次はAXへ──アフラックに学ぶAIトランスフォーメーション実践ロードマップ

DXの次はAXへ──アフラックに学ぶAIトランスフォーメーション実践ロードマップ

「DXを進めても成果が出ない」「生成AIを導入しても現場に浸透しない」──そんな悩みを抱える企業が増えています。
デジタル化は進んだものの、AIを活用した本質的な変革にはまだ踏み出せていないのが現状です。

いま注目されているのが、AX(AIトランスフォーメーション)
AIを前提に業務や組織を再設計し、ビジネス全体を生まれ変わらせる新しい変革の潮流です。

本記事では、DXからAXへと舵を切ったアフラック生命保険の実例をもとに、企業がAI変革を実践するためのロードマップと人材戦略を解説します。


1️⃣ DXの次に来る「AX時代」とは?

DXとAXの違い

項目DX(デジタルトランスフォーメーション)AX(AIトランスフォーメーション)
目的業務の効率化・自動化企業構造・ビジネスモデルの再設計
技術の中心クラウド・データ・RPA生成AI・AIエージェント・LLM
成果コスト削減・スピード向上新たな価値創出・意思決定の高度化

DXは「既存業務の効率化」に重きを置きますが、AXは「AIを中核にビジネスそのものを再構築」する段階です。

なぜ今AXが必要なのか

  • 労働力不足と人材の多様化
  • 生成AIの普及による自動化の加速
  • 顧客体験(CX)・従業員体験(EX)の高度化要求

AIを前提とした意思決定が標準となる今、企業は「AIで動く仕組み」を備えることが競争力維持の条件です。

AXを支える3つの基盤

  1. データ統合基盤:AI活用の土台となる一元化データ環境(例:Salesforce Data Cloud)
  2. AIエージェント活用:生成AIを業務プロセスに組み込む仕組み
  3. AIガバナンス・倫理設計:透明性・公平性・説明責任を担保するルール体系

2️⃣ アフラックに学ぶDX→AX転換の実像

DX部門を廃止しAX専門組織を設立

アフラック生命は2023年、DX推進部門を廃止し、AI専門の「AX組織」へと再編しました。
AIの実証実験(PoC)に留まらず、本番運用を前提にAIを業務へ組み込むフェーズへ進んだのです。

AIエージェント「Agentforce」導入の狙い

アフラックはSalesforceと連携し、AIエージェント基盤「Agentforce」を導入。営業・顧客応対をサポートするAIが現場で稼働しています。

営業担当者が顧客と対話する際、AIが契約履歴やニーズ情報を解析し、最適な提案をリアルタイムで提示。これにより応対品質とスピードが大幅に向上しました。

成果と変化

  • 業務効率:資料作成・顧客調査時間を削減
  • 顧客満足度:迅速かつ的確な提案が可能に
  • 従業員体験:AIが定型業務を担い、創造的業務へ集中

さらに経営層と現場の対話も「AIを前提」に変化し、意思決定速度が飛躍的に向上したといいます。

成功の鍵:目的→AI→業務再設計という逆算思考

AI導入を目的化せず、経営目標を起点にAIを手段として設計した点が成功の要因。
また、IT部門に限らず全社員がAIスキルを学ぶ「AX人材育成」を同時に進めたことも大きな成果につながりました。


3️⃣ 自社でAXを進めるための3ステップ・ロードマップ

フェーズ目的主要アクション成果指標例
STEP1: 戦略設計 AI前提の経営方針策定 経営層によるAXビジョン策定/ROI・KPI設計 AI導入ROI、戦略KPI
STEP2: 実装基盤整備 データ・AI活用基盤構築 データ統合、AIツール選定、PoC→本番化計画 AI利用率、業務効率化率
STEP3: 人材・組織変革 AX人材育成と現場浸透 スキルマップ策定、教育プログラム、AIガバナンス整備 教育受講率、AI提案件数、EX改善スコア

DXの延長ではなく、経営戦略からAIを組み込む発想が成功の鍵です。


4️⃣ AX人材とは?DX人材との違いと育成の方向性

DX人材とAX人材の違い

項目DX人材AX人材
役割デジタルツールの活用AIを活用した業務再構築
視点業務効率化価値創出・新ビジネス設計
成果効率向上変革実現

AX人材に求められる3つの能力

  1. AIリテラシー:生成AI・LLMの理解と活用力
  2. ビジネスデザイン力:業務フローを再設計できる構想力
  3. データ倫理・ガバナンス意識:AIリスクを理解し責任ある運用を行う姿勢

アフラックのリスキリング事例

全社員を対象にAI教育を展開し、職種を問わずAI活用提案を奨励。
「AIで仕事を変える人」を増やすリスキリング文化がAX推進を支えています。


5️⃣ AIエージェントが変える現場のリアル

営業・顧客対応の変革

AIエージェントは営業担当者の「第二の頭脳」として機能。顧客情報を横断分析し、最適提案をリアルタイム提示。提案資料も自動生成します。

商品開発・バックオフィスの活用

契約データや問い合わせ内容をAIが解析し、新商品企画やFAQ改善に活用。
人が判断・創造に集中できる環境が整い、業務品質とスピードが両立しました。

「ヒューマン+AI」協働モデル

AIが情報処理、人が戦略判断を担う協働体制が理想です。
このモデルがEX向上とCX革新の両立をもたらします。


6️⃣ まとめ:DXを卒業し、AXで企業を再設計せよ

DXは終着点ではなく、AXという新たな出発点です。
AIを中核に、経営・人材・技術を三位一体で変革することが次の競争優位を生みます。

今すぐ取り組むべき3つのアクション

  1. 自社のAXビジョンを策定
  2. AI基盤と人材育成を並行推進
  3. ROI・EX・CXを含めた成果指標を再定義

✅ よくある質問(FAQ)

Q1. AX(AIトランスフォーメーション)とは?
A. AIを中心に企業の業務や組織を再設計し、新たな価値を創出する変革プロセスです。
Q2. DXとAXの違いは?
A. DXはデジタルで効率化、AXはAIで構造を変革します。
Q3. AX推進の第一歩は?
A. まずDXの棚卸しを行い、AIで再構築すべき領域を特定しましょう。

CTA:まずは「DXの棚卸し」から始めよう

DXの成果と課題を洗い出し、「AIで何を再構築すべきか」を可視化することがAXへの第一歩です。
次回の記事では、「AX人材スキルマップの作り方」を詳しく解説します。

参考:日経クロステック Special「アフラック×Salesforce」2024年5月掲載

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